一概に葬儀社といってもその規模は様々で、上場企業である葬儀社もあるかと思えば、店舗さえ持たないような、個人で運営しているところも数多く存在します。
葬儀社を開業すること自体に資格や免許など一切必要がなく、電話一本さえ持っていれば誰でも始められるからです。
最近では、経験ゼロの人でも1ヶ月で葬儀社を独立・起業をさせるというスピード起業法を謳うコンサルティングまで現れるほどです。
そのようなこぢんまりとした葬儀社と違い、ある程度の規模の葬儀社になれば式場(○○会館とか××ホールとかいう名称が多い)を所有している場合が多くなります。そのような斎場を利用しようとする場合は、一般的にその葬儀社を利用することになります。つまり、葬儀社所有の式場を利用したい場合、葬儀社選びと斎場選びは同じになるわけです。
これと別に葬儀社選びと斎場選びが一致しない場合というのは、公営斎場や民間の貸式場を利用する場合で、その斎場は基本的に場所だけ提供するので、そこで葬儀をするために葬儀社が必要になるわけです。この場合、そういう斎場を利用するには、そこに精通した葬儀社に依頼することが安心につながります。
ちなみに、式場を所有していない葬儀社のほうが、所有している葬儀社よりも数の上ではるかに多いのが現実です。都内では式場所有の葬儀社は5%にも満たないほどです。
ただ、勘違いしないでいただきたいのは、 自社で式場を所有していている葬儀社でも、公営斎場や民間の貸斎場を普通に利用しているのです。
式場所有の葬儀社は、ある程度の規模であると推測できますので、貸斎場を利用する場合でも式場所有か否かは葬儀社選びの一つの目安になるかもしれませんね。
葬儀の後遺族や親戚が集まって食べる精進料理は、大阪府では初七日の法要のあとに食されます。高野豆腐や唐揚げは通常の精進料理でも特に使われる頻度が高い料理ですが、通常四角形に切られて調理されるこれらの料理は、大阪府の精進料理では三角形に切られます。この風習は、普段とは異なる行動を行うことで、日常と葬儀を切り離す「逆さごと」の派生として定着した風習であると言われています。
その他、通常葬儀の日として避けられがちな友引の日にやむなく葬儀を行う場合は、「いちま人形」と呼ばれる人間の代わりになる人形を棺に納める、骨壷を二つ作って一報を菩提寺などに納める、などの風習が大阪府には存在しています。
全国的には香典袋は白と黒の水引が付いた者が使われますが、これが大阪府の場合は少し水引の色が違っており、黄色と白の水引が香典に付けられます。
白黒の代わりに黄色と白の水引を香典に付ける風習は全国でも近畿地方でしか見られないものですが、この風習は、この地方で水引の色として黒が避けられていたことが理由とされています。つまり喪中に使われる黒は、宮中を象徴する色である「玉虫色」に似ており、近畿地方では特に混乱を招いていたため、黒の代わりに「喪」を象徴する色である黄色が水引の色として使用されたと言われているのです。