仏式の告別式にあたる儀式を、神式葬儀では、「葬場祭」といいます。神式葬儀が仏式といちばん異なるのは「手水の儀」と、それに引き続いて執り行 われる「玉串奉奠」で、仏式の焼香にあたるものと考えればよいでしょう。 斎主(神官)・副斎主・祭員・喪主・遺族・近親者の順番で行います。
※地域などの違いによっては、ここに紹介した作法と異なる場合もあるようです。正しくは斎主にお尋ねください。
(1)玉串を受けたら、案(玉串を置く台)の前に進み、玉串をおしいただきます。
(2)根本を手前にして、まっすぐに持ちます。次に時計回りに回転させて、向きを変えます。葉先を手前にして供えます。
葬儀の後遺族や親戚が集まって食べる精進料理は、大阪府では初七日の法要のあとに食されます。高野豆腐や唐揚げは通常の精進料理でも特に使われる頻度が高い料理ですが、通常四角形に切られて調理されるこれらの料理は、大阪府の精進料理では三角形に切られます。この風習は、普段とは異なる行動を行うことで、日常と葬儀を切り離す「逆さごと」の派生として定着した風習であると言われています。
その他、通常葬儀の日として避けられがちな友引の日にやむなく葬儀を行う場合は、「いちま人形」と呼ばれる人間の代わりになる人形を棺に納める、骨壷を二つ作って一報を菩提寺などに納める、などの風習が大阪府には存在しています。
全国的には香典袋は白と黒の水引が付いた者が使われますが、これが大阪府の場合は少し水引の色が違っており、黄色と白の水引が香典に付けられます。
白黒の代わりに黄色と白の水引を香典に付ける風習は全国でも近畿地方でしか見られないものですが、この風習は、この地方で水引の色として黒が避けられていたことが理由とされています。つまり喪中に使われる黒は、宮中を象徴する色である「玉虫色」に似ており、近畿地方では特に混乱を招いていたため、黒の代わりに「喪」を象徴する色である黄色が水引の色として使用されたと言われているのです。